2回目にアンタに会ったのは雨が降り続く日だった。
あれから何日かが過ぎてクロロがまたアンタをいつもの場所へ連れて来てさ、
その日は朝から雨が降ってて・・・・・
でも、アンタは自分がずぶ濡れだってことを気付いてないかと思う程ただ空を見上げてたっけ。
手紙 〜ありがとうの気持ち〜
「ねぇ、何であの子こっちに来ないわけ?」
不機嫌そうな顔をしたマチが言った。
「マチは人の話ちゃんと聞いてる?」
「聞いてるつもりだけど?」
「この前、クロロが言ってただろ?」
シャルナークは立ち上がり少し離れた場所にあったドラム缶の上に上るとクロロの傍で空を眺めている
に目をやった。
「人に不慣れなんだろ?」
「なーんだ。ちゃんと聞いてたんだ?」
「一体どうゆうつもりで連れて来てるのか分かんなくない?」
「そりゃあ、アレだ!友達だろ ? ? 」
マチのその言葉を聞き、シャルナークの言葉が詰まろうとした時、ウボォーギンが嬉しそうな顔をしながら言った。
「友達・・・・・・ね。私は別にいらないけど?」
「俺もマチの意見に同感だな。」
三人は突然、間を割って会話に入ってきた声に驚いた。
「フィンクス!」
「あれが噂のお姫様か?」
フィンクスがを指差す。
「お姫様って・・・・・あの子はそんな名前じゃないのは分かってるよ・・・ね?」
「だろ?」
「おっ?何だかんだ言ってしっかり覚えてるじゃねーかマチ!」
「まさかマチが覚えてたなんて意外だなぁ・・・。」
興味が無さそうだったマチがの名前を覚えていたことに驚きを隠せない男三人・・・。
「アンタ達、私のことバカにしてるの?」
「結局は実はマチが一番欲しがってるんじゃないのか?その “友達” とやらを・・・よ?」
フィンクスは上からマチを見下ろしながら言った。
「そう言ってるアンタは何の為にここへ来たんだよ?」
「俺は―――」
「私から言わせればアンタが一番怪しく見えるんだけど?」
マチは声のトーンも変えることなくフィンクスを睨み付けた。
「何だ?あ?」
二人の間に険悪な空気が流れる・・・・・・。
「ストーーーーーーーーーーップ ! ! 二人共・・・喧嘩はやめようよ?」
シャルナークは大きな声を張り上げると二人をなだめるように仲裁に入った。
本当は初めて会ったあの日からアンタのことを一番意識してたのは他の誰よりも、この私だったのかもね。
だから、あの時フィンクスに言われた一言がとてつもなく気に障って怒ったんだ。
アンタに出逢うまでは友達なんて必要じゃないと思ってたから・・・・・。
「とりあえずさ、ゆっくり様子を見てみようよ?」
フィンクスとマチをなだめるシャルナークは笑顔でそう言い残すとクロロとの方へ歩き出した。
「シャル!俺も行くぜ!」
ウボォーギンもシャルナークに続き雨の中を走っていった。
「行っちまったぞ?お前は行かなくていいのか?」
フィンクスは雨の中を走る二人の後姿を眺める。
「・・・私は・・・興味ないからね。」
「素直じゃねーな・・・・・。」
「それはお互いさまだろ?」
フィンクスとマチは顔を見合わせると同時に笑った。
あれから毎日のようにクロロとここへやって来たね。
アンタと初めて会った頃は夏の始まりだったけど、いつの間にか夏も終って少し寒くなってきた頃から
ほんの少しづつだけど私等にも笑顔を見せるようになっていったんだよね。
今、どうしてこんなことを思い出してしまったのかは私自身も分からないんだ。
けれど・・・・・・
きっと・・・・・・
アンタは私にとって必要の無かったはずの気持ちを教えてくれたから・・・。
“友達” ってのも捨てたもんじゃないよね。
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