聞きたいことは山のように・・・・・。




















話したいことは海よりも広く・・・・・。




















逢いたい気持ちは空よりも高く・・・・・。




















疲れ切った身体の重さを感じながら一人で夜の街を歩く

そんな毎日には慣れていたはずだったのに・・・・。

あれから、どの位の時間が流れたのだろう?

ただ心を無にして毎日を過ごしているのに限界を感じずにはいられなかった。

























夜が明ける前に―――





















やっとの思いでホテルの部屋へ辿り着く。

どの位、歩き続けたのか・・・

自分でもハッキリとした記憶がない。

依頼を受けて、仕事を終えて・・・・・・・。





「はぁ・・・・・。」





部屋に入ると息つく暇も無くバスルームへ向いシャワーの蛇口を勢いよくひねる。

どしゃ降りの雨のように降り注ぐ湯からは白々とした湯気が上がった。

は何も考えず服を脱ぎ捨てると、その雨の中へ飛び込んだ。




血の臭い


微かな死臭



バスルームからは身体を洗う音

それは、まるで何かに取り憑かれたかのように何度も繰り返された。





「もう、こんな時間か・・・。」


がシャワーを浴び終った頃、窓に見えた景色は夜明け前だった。

バスタオルで髪の毛を拭きながら目にしたのは携帯電話


「着信なし・・・か・・・。」


その虚しさと共に寝室へ向うとは大きなベットに雪崩れ込んだ。

しばらく携帯電話との睨み合いが続けてみたが、一向に鳴る気配はない。



ディスプレーに映し出される文字は


 ”


は文字を何度も指で辿る




思い切って自分から電話をしてみようか、


きっとクロロの携帯の電源はオフ・・・。





気が付くと外は、さっきよりも明るくなっていた。








「寝なきゃ・・・。」








は、ゆっくりと瞼を閉じた。








そして、人知れず願う


























“ 夢でいいからクロロに逢いたい・・・・・ ”




















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