手紙 〜出会いの頃2〜
「それにしても今回は長かったね。」
シャルナークは笑顔をクロロへと向けて問いかけた。
「その子、何処から連れてきたの?」
クロロの背後に隠れているのことが気になって仕方の無い様子のマチ
「クロロが此処へ来なくなった少し前に東の施設に来たんだったよね?」
シャルナークが、すかさずクロロの代弁をする。
「アンタには聞いてない。」
マチがシャルナークを睨み付けた。
「おいおい、こんな時に喧嘩は、よせって。」
いつもの事ながら呆れた様子でウボォーギンが仲裁に入る。
「俺たちは別に喧嘩なんか・・・」
「相変わらずだな。」
いつもと変わらぬ雰囲気に笑顔を見せるクロロ
「そろそろ、その子を俺達に紹介してくれよ!」
瞳をキラキラさせたウボォーギンは期待に胸を膨らましながらクロロに言った。
「コイツは、あまり人に慣れてない。心配しなくても お前等とは上手くやっていけると俺は思っている。
ゆっくり見守ってやってくれるか?」
背後に隠れるを少しだけ見えるようにしてクロロは、そう言った。
「恥ずかしがり屋なのかな?」
シャルナークは隠れるようにしているを覗き込むようにして聞いた。
「俺はウボォーだ。仲良くやろーぜ!」
そう言ってウボォーギンが手を伸ばしてに握手を求めた。
「コイツに触るな ! ! 」
ウボォーギンの腕を勢いよく掴んだクロロは思わず叫んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・ぁ・・・・
? ? 」
どうしてクロロがアンタに “ 触るな ” なんて急に怒鳴ったのか私等は全然、分かんなくて呆気に取られたっけ。
アンタと初めて会ったあの日は場が一気にシラけちゃって、とんでもない日だったのは確かだよね。
結局アンタの名前も聞けずに、その日はサッサとクロロが連れて帰っちゃってさ・・・。
「クロロ!手、痛いよ?」
の手首を掴んだままクロロは早足で歩き出してから、しばらく時間が経っていた。
さっきはクロロと一緒に走った風景も今は周りが少し薄暗く、別の場所のように感じる。
クロロのこんな表情を見るのは初めてなにとって更に不安の原因となっていた。
「悪い・・・。」
「・・・・うん。」
「怖がらなくても大丈夫だ。」
人に触れられることを怖がるにクロロが初めて触れたのは二人が時間を共有するようになって
一ヶ月が経とうとした頃だった。
桜の花びらが散り青々と生い茂ろうとしている木の下に二人はいた。
戸惑いを隠せないにクロロがそっと触れた時、にはハッキリとクロロの声が聞こえた。
の心の中の暗闇はこうして少しづつクロロによって癒されていた。
「大丈夫だよ?」
の手首を離したクロロの顔を心配そうに見たが言う。
「本当か?」
「・・・だってクロロがいつでも守ってくれるんでしょ?」
「また読んだのか?」
「読んでないよ!聞こえてきたんだよ?」
そう言うとはニッコリと微笑んだ。
「悪かったな・・・。」
止めた足を再び進ませるクロロ
「心配してくれてありがとう。」
後を歩く
「あんまり無理はするなよ。」
「・・・・うん。」
残された私達は、しばらくの間は放心状態だったけど楽天的な考え方のウボォーのおかげで何とか
その場の空気も回復できたけど私は、あの後もアンタの事が何故だか凄く気になって
その日は、なかなか眠れなかった。
突然、クロロと共に現れて嵐のようにクロロとアンタは去っていったから・・・。
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