アンタと初めて会ったのは、ちょうどこんな風に初夏の日差しが眩しくて暑くなりかけた夏の始まりの頃だったね・・・・。
手紙 〜出会いの頃〜
「、そろそろ俺の仲間と会ってみないか?」
が流星街の東にある施設に来てから2ヶ月の月日が流れ、
今日までクロロは毎日のようにの部屋に迎えに来ては二人で同じ時間を過ごしてきた。
そのクロロからの突然の言葉はを驚かせた。
「・・・・・・・・・・・。」
この頃のは、ようやくクロロに対しても時折笑顔を見せるようになり、少しづつ話もするようになってきていた。
「嫌か?」
「イヤじゃないけど・・・。」
はクロロに対しては打ち解けた様子を見せるようになっていても他の人間とは自分から全くと言って良い程、
関わろうとはしない日々が続いていた。
「怖いか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
“他人の心の中が見えてしまう”と言うよりも“心の声が聞こえてしまう”
不思議な力のせいで、いつの間にか自ら心を閉ざしてしまうようになってしまった
今は自分自身の意思でコントロール可能になったものの、相手に触れてしまえば
その間だけ心が流れ込んでしまうために、ひと気の無い静かな場所を好んでいた。
「怖がることなんて何もない。」
臆病になり過ぎたにクロロが言った。
「・・・・・・・・・・。」
「施設にいる奴等とは違うから安心しろ。俺が保障する。」
「自信ないよ?」
コントロールが可能とは言っても、感情が高まってしまえば
気持ちのコントロールが出来なくなってしまうことがは何よりも心配だった。
「心配することはない。」
あの時どうして2ヶ月もの間、クロロが私達の前に姿を見せなかったのかが、やっと分かった気がした。
クロロは元々、一人で居るのが好きだったから消息不明になるのは“よくある事”だったけど、
いつもの場合、それは長くても1〜2週間だったから私等にとって、その2ヶ月がどれだけ長く感じたか・・・は
私は今もハッキリと覚えてる。
「久し振りだな。」
クロロはを連れて仲間のいる、いつもの廃材置き場へとやって来た。
クロロとを結び付けた桜の木とは正反対の方向に在り、
その場所は、この街へ来て、わずか2ヶ月程のにとっては当然、初めての場所でもあった。
ここへ来るまでの間、クロロはを安心させるように何度も言った。
『俺が付いているから心配するな』と・・・。
「久し振りってどころじゃないな!」
まず最初に声を掛けてきたのは、身体の大きな少年だった。
その少年の名前はウボォーギン
「何、その子?」
少しキツめな顔の少女が言った。
少女の名前はマチ
「その子が例の女の子?」
賢そうな少年が続けて言った。
名前はシャルナーク
「あぁ。今日からここへ来る時はコイツと来るが、それに対して何か言いたい事のある奴はいるか?」
余りの勢い良い質問攻めに対しクロロは簡潔な答えを求める質問を返した。
私達は小さい頃からずっと一緒に育ってきたようなものだったけど、この頃からクロロは皆から一目置かれてて
この時、クロロの陰から隠れるようにしているアンタを本当に大切そうにクロロが守ってるのが分かったから
私達はそれ以上、何も聞くことも言うことも出来なかったんだ・・・。
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