何の取り得も無い街を二人で歩いて行こう





休みの日には二人で歩こう





ゆっくりと、ゆっくりと、流れる時間を感じながら





歩いてみよう















をつないで















「ねぇ、ノブナガってば!」

たまの休日
気持ち良さそうに眠っているノブナガを起こしてみる私


「あぁ?」

「せっかくの休みなんだし!」

突然、起こされて不機嫌そうなノブナガを無視


「だから何だってんだよ?」

「・・・・・・・・・・。」

分かってるクセに!


私が言いた事くらい分かってるクセにさ、何でいちいち聞いてくるのよ?

心の中でそう思いながらも何とか腰の重いノブナガを外に連れ出す方法を考えてみても
結局は良い方法なんて見つからなくて・・・。


「だーかーらー・・・・。」

「あ?」

「分かってんでしょ?」

「あぁ?俺にはサッパリだな。」

「ノブナガ・・・・」

「あ?」

「・・・・・・バカ ! ! 」





意地悪なノブナガと意地っ張りな私の組み合わせ・・・。


上手く行きっこない組み合わせ


怒ったフリは、女のズルさ?


今度は少しだけ甘えてみよう





「ねぇ、ノブナガってば・・・。」

裾なんか引っ張って甘い声を出して上目を使ってみたり?


「な、何だ?」


「だ、め?」

精一杯の可愛い声でおねだりしてみる


「お、おぉ・・・そうは言ってねぇが、よぉ?」



ホラね、男はコレに弱いんだ。



「やった!じゃ、すぐ出掛ける準備するから・・・。」

「から・・・?って何なんだ?」

「1時間後に・・・さぁ?」

「さぁ?・・・・って、お前・・・・。」

「だ・め?」

更に上目を使って瞳をウルウルさせてみちゃったり・・・



「わ、分かったよ・・・。」

「じゃさ、1時間後に “ あの場所 ” で!」


ワザとらしく物凄く喜んでみたり・・・


「おぉ。」


いつもなら無い照れた反応
甘えてみよう!作戦は大成功 ! !








約束の “ あの場所 ” で待つノブナガの為に超特急で準備をする
大好きな彼の為に大好きな洋服を着て、大好きな小物も身に付ける





「お待たせ♪」

飛びっきりの笑顔で登場


「・・・お、おおお、おぉ、」

「何か変?」

「変じゃねーよ!・・・いちいち聞くなバカが・・・。」

照れた様子のノブナガを見る限り掴みはオッケー。
驚くノブナガに満足だけど、一つ足りないモノがある・・・。





「ね、ノブナガ?」

「な、何だ?」

「あのさ、」

「まだ何かあるのか?」















「手、繋いでも・・・いい?」










「お、おぉ・・・・だから聞くなって言ってんだろーがよ。」














何でも無い街並みもアナタと一緒なら、大好きな街へと変わる










だから、二人で









手をつないで










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