金なんかいらねぇ


持ってなくても生きてけるだろ?




欲しい物は全て奪い取る


盗賊の心意気ってモンだろーよ?




強い奴と戦って勝った時こそが俺の存在価値を証明する




俺よりも強い奴がいたら誰か教えてくれよ・・・。




俺こそが世界最強だってことを思い知らせてやるぜ。




誰か



俺を楽しませてくれよ?



この俺を落としてみろよ?

















世界一




















「ちょっと、ウボォー!いつまで音沙汰無しでいるつもりなのよッッ ! ! 」

突然、鳴った電話に出てみればの大きな怒鳴り声が響き渡り、俺は思わ携帯電話を耳から離した。



「お?おぉ・・・・。」
数秒間の沈黙の後、俺は明らかにの殺意を感じ取ってとぼけてみた。

「何が 『お?おぉ・・・・。』 なのよッッ ? ! 」

受話器の向こうからの殺意はヒートアップ

「わ、悪かったな・・・。」
「はぁ ? ? 」
「そ、その・・・連絡出来なくて・・・・よ?」
「本当に悪いと思ってるのね?」
の冷静で冷たい声

「あ、あぁ・・・・。」
「・・・・ふーん、なら今すぐ来てくれるわよね?」

予想通りのの反応

「今からか?」
「今すぐって言ってるんだから、そうに決まってるでしょ!」

「・・・・分かったよ。」

コイツの機嫌が逆向くと後がとにかく長いんだ。
俺は後のことも考えた結果、の家へ行く為に仮宿を後にした。
















『ガチャ』



「遅いわよ ! ! 」
部屋に入るなりの怒鳴り声

「そんなに怒るなって?これでも急いで来たんだぜ?」
この最悪な雰囲気を何とか変えようと俺はの頭を撫ぜた。

「・・・・・・・・・・・・。」

怒り爆発か?

「・・・・・・・・・・・・・。」

何で、いつものように怒鳴り散らさない?

「お、おい・・・。」

『・・・・・・・・・・・・・・。』

「口も利けない程、怒ってるのかよ?」



涙?



の顔を覗き込んだ俺は言葉を失った。




「ど、どどどど・・・どうしたんだ ? ? 」
初めて見るの涙に俺はどうすればいいのかが思いつかない。

「・・・・・・・・・・・・・。」

気が付いた時には自然にの身体を引き寄せて抱きしめている俺がいる。

「し・・・・ズッ・・・・。」
「一体、どう・・・したんだよ?」
「し・・・・ズズッ・・・・。」

何かを必死に伝えようとしていることは分かる。
でも、その言葉をの鼻水をすする音に邪魔されてしまって、その先が聞こえない。

「逃げたりしねーから、ゆっくり・・・な?」
「ズズズズ・・・・・。」

俺はが何を伝えようとしているのに、ただ待つしか出来ないでいる。

「ウボォー・・・・ズッ・・・。」
「あ?何だ?」
「し・・・・心配・・・したん・・・・だから・・・・・。」
少し落ち着いたように見えたの瞳からは再び大きな涙が零れ落ちた。

こんなにコイツが小さく見えたのは初めてのことだった。
俺は小さく見えるをきつく抱きしめた。

「も・・・ぉ・・・・。」
「痛かったか?」
「ううん、暖かい・・・・。」

はにかんで微笑むがたまらなく愛おしく思えてならない俺がそこにはいた。
俺は怒られることを覚悟の上で、より一層を強く抱きしめる。




「痛いわよ・・・。」
「・・・今はこうさせてくれ。」










世界一の敵?










結局、俺にとっての最強の敵はコイツなんだと思い知らされた。
見事にに落ちている俺も悪くはねぇだろ?





















こそが俺にとっての世界一






























そう思うのも悪くはないだろう?






















****あとがき****

すすすすす、すみませーんッッ><
ウボォー好きぃな方への挑戦とも言える程、お尻の下敷きになってしまっている作品になっちまいましたー。
私のイメージとして、ウボォーって彼女には甘い・・・みたいな感じがあったので 、
世界一の破壊力を目指すウボォーの意外な弱点的な話にしてみた結果なのです・・・。
ってことで、締めさせてもらいます!(逃








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