★☆★ ベリースペシャルサンクス ! ! ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

嘩タン、明けましておめでとう御座います ! ! !
新年早々、素敵な贈り物を贈って下さいまして感謝・・・(涙
お疲れサマでした!

2006年になったワケですが、今年も変わらず仲良くして頂ければ
嬉しく思いますので今後ともヨロシクお願いしますネ♪

素敵な贈り物を本当に有難う御座いましたッッ ! ! ! !

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皆の笑い声が響き渡るたびに
私の心に光が生まれる












絢爛の季冬












明ける日もくれば、暮れる日もある。



そんなつまらないサイクルの中に生きるくらいなら、
暮れ続けた世界に生を保ち続けた方がマシだった。


皆と共に危険な政界に飛び込んだほうがスリルがあって、
その快感が私を虜にする。
一度味をしめてしまってからは、
もう誰も理想の外界へ連れて行ってくれることはなく、
危険など自己の世界から遠く阻まれたようだった。

それでも決められた規則を破る事はせず、ただ皆の帰りを待ち侘びていた。



独り・・・変わる事すら許されぬ、この荒れ果てた地に残され。


瞬く星を見、減少することのないゴミ山、
カラス、そして人を目にし、
ずっと脳裏に描きつづけてきた。







幻影旅団





彼らがこの流星街へ再び姿を現すことを。



夢にまで、
空にまで拝みながら。











数時間ごとに立ち代り入れ替わりに、
次々とこの地に無断で踏み込んでくる大型トラックに、
は大きなため息をついた。


ここ最近こういった大型トラックの出入りが頻繁で、
その度常時何トンものゴミを排出してゆく。
地球がなぜ汚れていくのかわかる。
世間では、地球温暖化防止とか二酸化炭素削減といった
取り組みをしている人がいるのにも関わらず、
平然とこういったゴミを捨てていく奴らもいるのだから。

それにこの地は、ゴミ捨て場などでは決してない。
人が住み、暮らす街・・・・流星街だ。
例え政府から認められていなくとも、こうやって名もついている。



流星街の住人が歩くのを邪険に扱うように、大きくクラクションが鳴った。
はまた、顔を歪め、不快そうに眉間に皺と寄せると、
明らかに怒ったように鼻を鳴らした。

別人今日に限って機嫌が悪いわけではない。
こんな様は、普段と至って変わらない。


変わった事と言えば・・・重ねた年数くらいだろう。



元々荒らされていたゴミを散らかしていたカラスが、
クラクションに驚き一斉に飛び上がった。
そして黒い羽が散り、の機嫌を損ねた。
太陽の周りに輪を作るようにカラスは迂回し、
しばらくして落ち着きを取り戻すと遠くへ消えていった。

髪に落ちた黒羽を叩き落としながらも、
カラスの光景がの中で木霊しつづけ、目の色を変えた。


それはとても悲しそうで、
雨が同情の涙を流そうかと問うてきそうなほどだ。







幻影旅団がここを去って・・・二年半経つ。


いや、二年半も経った。








黒いロングブーツがスラリと伸びたの足を際出させる。
ひらりと風に舞う金髪が異様にここでは目立った。

彼女は、あの酸素ボンベを背負った格好をしない
今となっては唯一の人間であるから。





ゆっくりと流星街の人々が住む町へと足を進める。







二年半前までは、彼女は彼等幻影旅団の仲間だった。
否、仲間という形で傍においてもらっていた。


この流星街で異質の力を持つ蜘蛛は誰の眼から見ても、
憧れを抱かずにはいられぬもので、自身もその一人であった。
もちろんその彼等から仲間へ迎えいれられたわけで、
これを運命というべきなのだと、確信させられた。




楽しかった・・・・



それと共に常にの中には虚無感が存在した。

どれだけ冗談を言い合う中に加わることができても、
旅団員ととの間には超える事のできない壁が立ちはだかった。



一つとして、念能力が使えないこと。
正直あまり気にはしてはいないが、それでも会得はするつもりだ。

さらに一つ・・・これこそまさに最も悩むべき問題で、
埋めることのできない、彼等との思い出だった。
旅団の仲間の基本は存知のとおり、
結成時より変わらぬ仲間が基盤としており、
流石に過去を語り合う仲でもないにしろ、
にとってがツライものの他なかった。


自分だけが取り残されたようで、怖くて堪らなかった。




しかし残酷なことは立て続けに起こるもので、
二年半前の今日、突然別れを告げられた。





「オレ達は明日、ここを出て行く。」






クロロの一言に酷く裏切られた気分になって、
吐き気をもよおしそうになったのはよく覚えている。


それからというもの、はとにかく全力で拒否をした。
泣いて泣いて自分も連れいていくようにせがんだ。
だが、クロロからもパクノダからも、
仕舞いにはシャルからも反対されてしまった。





「必ず、必ず戻るよ。今度はも連れて行くから。」


「本当に?」


「うん、本当さ。」






シャルとの約束を、小指で交じ合わせたのは少し果てなき記憶。
でも、鮮明に刻み付けられている。








ゴミ山を越え、少しは整備されている街中を軽快に歩く。





それから旅団が戻ってきた事はない。
だからといって探すような真似もしなかったし、
何にせよ彼らは約束は守ってくれると心底信じていたから。









古びた塗炭屋根の家や所々崩壊したコンクリートの家、
様々な家が立ち並ぶ中心街ともいえる中央通りを
話しかけてくる奴らに愛想を振りまきながら、足早に通りすぎた。

だんだんと近づく街の中央部の教会にますます顔をしかめ、
目前までやって来ると止まり深呼吸をした。


心を無へ変え、
足を踏み出そうとした刹那、
背後からの掛け声に振り向かざるを得なくなった。








さん!!」






息を切らして、重い酸素を背負った白スーツの奴が駆けてきた。






「どうしたの?そんなに急いで・・・」


「た、大変なんです。」






整わぬまま声を発するもので、
か細くての耳には届かなかった。
しかし、怒ることはなく急かせもせずに息が整のうのを待つ。
少ししてやっと冷静を保つ事ができるようなった彼は、
ゆっくりと且つ、はっきりと言った。







「さっき議会の人が話しているのを聞いてしまったんですが、
 『蜘蛛』の方々が戻ってくるそうです!!!!」


「えっ・・・・いつ!?」


「今日・・・で・・すっ・・・、てさん首しま・・って・・」








はあまりにもの驚きに晒され、
両目を大きく見開き思わず彼の首を絞めてしまったのだ。

我に返り、「ごめん」と謝ると彼は苦しげに咳き込むと、
頭を下げて去っていった。



しかしは当初の目的も忘れ、ただ呆然と教会前で立ち尽くした。








幻影旅団が・・・・帰ってくる!!?





喜びのあまり叫びたい衝動に駆られるが、
表情を輝かせて、教会とは逆方向に元来た道を走り出した。
街の人に変な目で見られようが、
それは今のにとってどうでもよいことだった。






旅団の仲間がここへ戻ってくる







風より早く走るがたどり着いたのは、
ゴミ山の中でも最も高く積まれているところで、
その頂上に立った。


どこからか込上げてくる嬉しさに耐え切れるず、
流星街内に響かんばかりの大声で言葉にならない奇声をあげた。
肩で息をし、霞む空に微笑むと頂上から飛び降りて、
今度は東へとチーターのごとくすばやく、
ライオンのように意気揚々と勇ましく走り出す。








今夜十二時、明日零時より国々は新年を迎える。




「新しい年に相応しくて、
 私たちの再会と出発への相応しい演出を用意しなきゃ!」







は閃いた提案に動かされるように、
蜘蛛との再会を嬉々しながらも
どこか子供のような楽しみを秘め、地を元気よく蹴りやった。














夕暮れ時も去り、
暗闇の中外灯もない流星街をあるく集団。

背丈も性別もバラバラではあるが、
みなぎる強さだけは各々同格で、
目を向ける者には圧倒的力量の違いさを禍々と感じさせる。
先頭に立つオールバッグの逆十字の男は、
威厳たっぷりと懐かしい故郷を歩み進める。




「久しぶりだな。」




クロロは変わることのない相変わらずのこの景色に、
期待などしていなかったと言わんばかりにため息をついた。




「もう、どれくらい経つんだ?」


「二年くらいじゃない?」


「正確には、二年と半年ね。」





ノブナガの疑問にマチが答え、
それを修正するようにしてシャルが続けた。






そう、あれからこれほどまでの時が経ってしまった。







青白い月が微かに光を灯して、団員達の行く先を照らしだす。



ゴミ置き場を通り抜けると、
昼時より人の減った流星街の中心街へ出るまで、
誰一人として声を発する者はいなかった。

それぞれがこの無いようで有るこの地での思い出に浸る。
しかしどれもと出会ってからのことばかりで、
それ以前のことがあまり浮かんでこない。








「もう、次の年になっちまうんだな。」








フィンクスがおもむろに吐き捨てた一言に同意は示したものの、
団員はそれを胸奥にしまい込んだ。


あまりにも現実を表しすぎていて、"後悔"の念に駆られるから。








の奴、元気でいやがるかな。」


「アイツなだ大丈夫ね。生きてるに決まてるよ。」


「でも、寂しい思いにさせてるのよね。」






ゆっくりと辺りを見回しながら、
中心街を抜けて砂利道のあるわき道にそれる。




パクノダはあえて誰も触れなかった核心に触れ、
今一度あの頃を皆に振り返るように勧めるようだった。



あれだけ離れるのを嫌がっていた

現在は・・・どうしているのか。





フェイタンもウボォーもただ黙すことに決めた。
誰もがを大切にしたいために取り決めた約束を守るかのように。








「この辺りだな。」







クロロは足を止め、目前の家々の陳列する姿を見つめた。
そして、吹く風に流されるようにして家々に沿って歩き出す。






「おくから三つ目の家じゃなかったっけ?」






マチの進言どおり、
奥から三軒目までやって来るとドアには「」と札があった。
中はランプは点いておらず、暗い。







「もう寝てるんじゃねぇのか?」


「まさか!?」


はオレ達が帰ってくること知らない・・とかは?」








シャルの発する内容に一瞬凍りついたものの、
団員達は視線を合わせ、
互いにそれはないだろうといく結論に結びつけた。


パクノダはドアを二度ノックし、
?」とドア内に問うものの返答はない。

顔を見合わせ、もう一度「?」と叩いた。








「はいはい、ちゃんは居ますよ〜」







本来その声は家の内側から聞こえるべきものだと思うが、
なぜか外から・・・しかも背後から聞こえる。


まさか、っと驚いて振り向いた。




そこには月明かりに照らされて輝くがいた。







「久しぶりだね、おかえり!!」





無邪気な微笑みは変わらぬが、
歩くその色気漂う仕草は少女というよりも
女性というべき成長を遂げていた。





「・・・ほ、本当にお前かよ。」





ノブナガはポツリと小言を吐いた。




「失礼ね。正真正銘のちゃんよ。」





腰の両側に手を置き、
偉そうに仁王立ちする彼女に声すらでない。


だが、中身はあの時のまま。
途中からスキップに変えやって来るを心なしか、
とても安心して瞳に映すことができた。

クロロの前で最後はジャンプをして立ち止まると、
まじまじと多々なアングルから目にし、観察した。
それに不快感を示すほど子供ではないクロロは、
黙って受け入れることにした。





「に、しても突然だね。全く!!ちゃんと連絡入れてよ。」







フェイタンの前で立ち止まり、
身長を抜かした優越感に浸り、厭らしい笑みをむける。






「やりぃ!フェイタン抜かした。」


「うっ、うるさいね。」






フェイタンは気にしていた事に触れられ、
相当癪に障ったのか・・・・
自分との差を比べる厭味なの手をを払いのけると離れた、。






「もう、冗談通じないんだから。」





腹が捩れるほどフェイタンの行動が可笑しかったが、
そこはなんとか噛み殺して、

次の標的のマチに抱きついた。


いや、抱きつこうとしたのだが見事に避けられてしまう。







「え〜、なんで避けるのマチ?」






不満そうなに、冷静なマチ。







「普通に抱きつかれそうになったら、誰でも避けるから。」


「意味わかんない。ね、シャル?」


「えっ、あ〜・・・・」







突如話を振られたシャルだが、どうもに同意するには難しいようだ。




青白い月が消えかけ、
夜を主張していた藍色が少しずつ青色へ移ろいでいく。
よく見えていた星も光の強いものばかり残って、後は消えていた。





「皆戻ってくるの遅いよ。今何時だと思ってんの?」


「あ〜っと、何時だシャル?」




フィンクスはシャルに携帯を出すように、脇腹を肘で突付く。






「今は・・・・深夜四時?いや、もう結構過ぎてるね。」


「ね、遅いでしょ?待ちくたびれたわよ。」






呆れたように物言うにどこか腹が立つ。
しかし、それは薄らいでゆく藍色の空と同じように
の面持ちを見ればそんな気持ちもふき飛ぶ。





「もう、四時・・・過ぎてるよね。
 そろそろ移動しないと間に合わないかもしれないな。」






小さく舌打ちをし、二カッと笑う
不思議な疑念を抱く団員たち。


二つの思いが交差して、時間と空間の流れが速くなる。







「さて、皆。今か移動するよ!」


「「「はぁ?」」」


「いいから、いいから。早く!!」





一人はりきって駆けだすに、
首を傾げるものの促す彼女には勝てず、追うようにして走り出した。





みるみるうちに藍色は青色へ変わっていく。


それを横目に、常人より速い足取りで順調に東へゴミ山を越えた。





「どこまで行くつもりなんだ?」





隣に並んだクロロがどこか楽しそうに見える。
しかし本人曰く、そういうわけでもないらしい。



「秘密よ。」





一人楽しそうなに他団員も後ろでコソコソと話しだす。





昔から何でもすることは突発的だったのことだから、
きっと・・・・


各々の中で厭な予感は募るばかり。







東のゴミ山は古いものが多く、
雨などに晒され土に返っているものが多い。
そのため西や北よりは丈夫で崩れずらくなっている。
さらに高いゴミ山は多いため、
のような奴にとっては絶好の遊び場でもあった。

大きなゴミ山を一つ上り、
二つ目のさらに大きなゴミ山を登りきったところでの声色が変わる。
「ストップ」と止められた。


そこからは、先ほどまで駆けてきた道から遠くの教会のベルが見える。
その他にも街並みや小さなゴミ山の数々が目に映る。







「ここはね、流星街で一番綺麗なところなんだよ。」







は両手を広げ、その景色に酔いしれている。






「知らなかった。こんな場所があるなんて。」


「あぁ・・・・・」





しばし言葉を失くして
それぞれの流星街への改めるべき姿を見せ付けられた。

はそんな団員たちに満足そうに笑った。






「まだ驚くには早いよ。」


「どういうことだ、?」


「まぁ、見てればわかるって!!」






口調は明らかに現状を楽しんでいるよう。


クロロは、団員は、の指す方向を視界に入れた。




この合図を待っていたかのように
空は急に白んだ青に変わるとやがて地平線の彼方から、
光り輝き頭を突き出す太陽が現れた。
太陽は辺りをオレンジ色で温かく包み込み、時と共に上昇し始める。
オレンジ色の光は眩い輝きを放ち、団員達を、を照らしだす。






「クロロ、シャル、フェイ、マチ、フェイ、パク」


「ノブナガ、フランクリン、ウボォー」


「A HAPPY NEW YEAR!!」






太陽を背にして、は大きな声で叫んだ。





「今年も、来年も、これからもずっとよろしくね!!」







こんなにも美しい空など、
これほどまでに綺麗だと感じた空はかつてあっただろうか





「「「もちろん!!」」」


「オレたちは仲間だからな。」







クロロの不適な笑みに、は頷いた。



もう、淋しい思いなど君には・・・させないよ。






「それじゃあよ、の入団祝いってことで
 どっかそこらを襲って酒とか食い物とか奪おうぜ!!」


「まぁ、今日は新年に変わった瞬間でもあるしね」






ウボォーはやる気満々、シャルも珍しく賛成。
皆は団長ことクロロに視線をやる。


クロロはため息をつき、「好きにしろ」と諦めたように言い放った。






「よし、それじゃぁ・・・・・「「「いくぞ〜!!!」」」






先陣切って走りだすウボォーとノブナガに続き
団員達は朝陽に向って走りだした。









輝く朝陽は地平線より浮かび上がり


運命を容易く変えた






それが再会であり、永遠の絆となると知っているから
























『END』さまへGO!





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