これで何度目なんだろう・・・・・・?
クロロは旅団の活動、私は暗殺業
お互い時間が無いのは充分承知してるし、それでも何とか今まで続いてた。
前に会ったのはいつ?
言葉を交わしたのは?
身体を重ねたのは?
気が付けば、どんな質問にも答えられない私がいた・・・。
不安
「あら?、団長なら昨日から戻って来てないわよ?」
が仮宿の扉を開けるとパクノダが驚いたように言った。
「・・・・・また?」
「え、えぇ・・・。」
これで何度目なんだろう・・・・・・?
「団長から連絡は?」
「ない・・・。」
パクノダの気の毒そうな表情が胸に突き刺さる。
「こんな所で立ち話もなんだから団長の部屋で待つといいわ。」
「・・・うん。」
パクノダに案内されて入ったクロロの部屋は静まり返り、数冊の本がベットの上に横たわっている。
その部屋の様子からは、もう何日も誰も入っていないことが感じ取れる。
ベットにそっと腰を下ろすとシーツの冷たさが肌に伝わった。
取り残されたような感覚に不安の波が押し寄せる。
クロロを信じていない訳じゃない。
私が此処でこうしている今もクロロは何かを追いかけているんだろう。
「どこ行ったんだよぉ・・・。」
その姿は初めて会った時の姿のままで、の大好きな姿でもあった。
『・・・コンコン』
ドアをノックする音でハッと我に返った瞬間、静かにドアが開いた。
「マチ・・・。」
「また、すっぽかされたんだって?」
呆れた様子のマチ
「急に用事が出来たんじゃない?もう毎度の事なんだから、そんな顔しないでよ。」
「電話してみれば?」
「電源入ってないから・・・。」
「だったら一言でも連絡してくれればいいんじゃない?」
怒ったような口調でマチが言った。
「相手がクロロだから・・・ね?」
「確かに団長がわざわざ連絡してくるようなタイプじゃないのは分かってるけどさ、・・・。」
「ありがと。心配してくれてるんでしょ?」
「わ、私は別に・・・」
照れた表情を隠すようにマチはに背を向けた。
「ホントありがとう。私なら大丈夫だから心配しないで!」
は不安を隠すように微笑んで見せた。
「・・・アンタがそう言うなら何も言わないけど。」
「少し疲れたから横になっていい?」
「じゃ、何かあったら声掛けなよ。」
マチはそう言い残すと部屋を出た。
物音一つないクロロの部屋
は何も考えることなく静かにベットに横たわった。
微かに残るクロロの匂いがの胸を締め付ける。
会いたい・・・・。
声が聞きたい・・・。
はクロロの匂いの残る部屋を静かに後にした。
不安だけ残して・・・。
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